地鎮祭

地鎮祭1

地鎮祭とは「とこしずめのまつり」とも読み、文字通り地の神を鎮めるという意味があります。

これから始められる工事の安全と無事の完成、さらには、その家が何事もなく長くその場所に建ち続けることを祈る儀式で、その土地の神さまを祝って敷地を清め、土地を使わせていただくことの許しを得ます。建築工事に先立って行い、一般には神式ですが、お施主様のご希望によっては仏式、キリスト教式で行うこともあります。

祭場をつくるには、まず斎竹(いみだけ)と呼ばれる葉付きの青竹を四方に立てます。斎竹に囲まれた空間は清浄な神域となります。さらに、神聖な場所を示す注連縄(しめなわ)を斎竹に張りめぐらせます。

祭場の中央には、神さまの降りる場所として、榊(さかき)に麻と紙垂(しで)をつけた神籬(ひもろぎ)を立てます。方向は南または東とされています。

手水(てみず)
神事の式場に入る前に、手水桶から掬った水で両手を洗い、心身を清めます。

墨田区柳島地区に伝わるするめの宝船のお供え

墨田区柳島地区に伝わるするめの宝船のお供え
※お供えは地域や神社によって様々です。

墨田区柳島地区に伝わるするめの宝船のお供え


手水(てみず)
墨田区柳島地区に伝わるするめの宝船のお供え


修祓の儀(しゅばつのぎ)*撮影を遠慮します
開式の後、祭に先立ち、参列者・お供え物を祓い清め儀式です。

参列者は、浅い礼をしてお祓いを受けます。

降神の儀(こうしんの儀)*撮影を遠慮します
祭壇に立てた神籬(ひもろぎ)に、その土地の神さまを迎える儀式。

神職が「おお~」と声を発して(「警蹕(けいひつ)」という)降臨を告げます。

献饌(けんせんの儀)*撮影を遠慮します
お招きした神さまに祭壇のお供え物を食べていただく儀式。御神酒とお水の蓋を取ります。
祝詞奏上(のりとそうじょう)*撮影を遠慮します
神職が、神さまにその土地に建物を建てることを告げ、工事の安全と無事を祈る旨の祝詞を奏上します。
清祓の儀(きよはらいのぎ)切麻散米(きりぬささんまい)
神職が切麻によって土地の四方と中心を清めます。
清祓の儀(きよはらいのぎ)切麻散米(きりぬささんまい)
地鎮の儀(ぢちんのぎ)
盛砂に、斎鎌(いみかま)、斎鍬(いみくわ)、斎鋤(いみすき)を入れます。
地鎮の儀(ぢちんのぎ)
「刈初の儀(かりぞめのぎ)」で設計者が斎鎌を入れます。
「エイ、エイ、エイ」と声を出しながら、三回鎌で盛砂の草をつかんで刈る動作をし、草を抜いて下におきます。
「刈初の儀(かりぞめのぎ)」
「穿初の儀(うがちぞめのぎ)」でお施主様が斎鍬を入れます。
「エイ、エイ、エイ」と声を出しながら、盛砂に三回鍬を入れ、盛砂を崩していきます。
「穿初の儀(うがちぞめのぎ)」
「堀初の儀(ほりぞめのぎ)」で施工者が斎鋤を入れます。
「エイ、エイ、エイ」と声を出しながら、盛砂に三回鋤を入れ、盛砂を均らしていきます。
「堀初の儀(ほりぞめのぎ)」

※順序や呼び方は違う場合もあります。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)
安全を祈ってその思いを玉串(榊に紙垂をつけたもの)によせ、神前に捧げます。

玉串を時計回りに回しながら根元を神前に向けてお供えし、神前に向かって、二拝・二拍手・一拝の作法でお参りします。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)
撤饌の儀(てっせんのぎ)*撮影を遠慮します
神さまにお供えした御神酒とお水の蓋を閉じます。
昇神の儀(しょうしんのぎ)*撮影を遠慮します
神籬(ひもろぎ)にお招きした神さまをもとの御座所に送る儀式、神さまにお帰り申し上げます。神職は警蹕(けいひつ)を発声します。
神酒拝戴(しんしゅはいたい)
神前にお供えした御神酒を、参列者が皆でいただきます。土器(かわらけ)の杯に御神酒を注ぎ、神職の合図で乾杯を行い飲み干します。
神酒拝戴(しんしゅはいたい)
直会(なおらい)
神事に参加した一同で御神酒と神饌のおさがりを頂戴し神事を祝います。

上棟式

上棟式は、建築工事の式典の中で最も重要な儀式の一つです。

地鎮祭が土地の神さまに対して祈願するのに対して、上棟式は地上の神さまに祈願するものであり、建物の守護神と工匠の神さまを祀って、工事が上棟まで進んだことを感謝するとともに、竣工に至るまでの加護と建物の永遠堅固を祈願する儀式です。

行う時期としては、木造は棟木(一番高い位置に取り付ける横木)を棟にあげる時点ですが、鉄骨造では最上階の鉄骨梁が取り付けられた時、鉄筋コンクリートでは最上階のコンクリートを打ち終わった時に行います。
建物の形が現れ、現場監督や職人にとっても、ここまでが工程の一つの節目となります。

上棟式1
上棟式2

上棟式には棟木に魔除けの「弊串(へごし、へいぐし)」や建物の前面に「弓飾り」を立てて行います。

お施主様と施工者が御神酒、洗米、塩などを建物の四隅に撒き清めます。(四方払いの儀)

四方払いの儀

御神酒で乾杯、祝宴の後、鳶頭による木遣に続く手締めによって、これから竣工までの安全と、参列者のご健勝を祈念して締めくくられます。

上棟式3
上棟式4

この日に飾られた弊串には上棟式の日付や工事名称などを記載し、後日最上階の天井の上に納められます。

上棟式5