地鎮祭とは「とこしずめのまつり」とも読み、文字通り地の神を鎮めるという意味があります。
これから始められる工事の安全と無事の完成、さらには、その家が何事もなく長くその場所に建ち続けることを祈る儀式で、その土地の神さまを祝って敷地を清め、土地を使わせていただくことの許しを得ます。建築工事に先立って行い、一般には神式ですが、お施主様のご希望によっては仏式、キリスト教式で行うこともあります。
祭場をつくるには、まず斎竹(いみだけ)と呼ばれる葉付きの青竹を四方に立てます。斎竹に囲まれた空間は清浄な神域となります。さらに、神聖な場所を示す注連縄(しめなわ)を斎竹に張りめぐらせます。
祭場の中央には、神さまの降りる場所として、榊(さかき)に麻と紙垂(しで)をつけた神籬(ひもろぎ)を立てます。方向は南または東とされています。
手水(てみず)
神事の式場に入る前に、手水桶から掬った水で両手を洗い、心身を清めます。
墨田区柳島地区に伝わるするめの宝船のお供え
※お供えは地域や神社によって様々です。
参列者は、浅い礼をしてお祓いを受けます。
神職が「おお~」と声を発して(「警蹕(けいひつ)」という)降臨を告げます。
※順序や呼び方は違う場合もあります。
玉串を時計回りに回しながら根元を神前に向けてお供えし、神前に向かって、二拝・二拍手・一拝の作法でお参りします。
▲ ページTOPへ
上棟式は、建築工事の式典の中で最も重要な儀式の一つです。
地鎮祭が土地の神さまに対して祈願するのに対して、上棟式は地上の神さまに祈願するものであり、建物の守護神と工匠の神さまを祀って、工事が上棟まで進んだことを感謝するとともに、竣工に至るまでの加護と建物の永遠堅固を祈願する儀式です。
行う時期としては、木造は棟木(一番高い位置に取り付ける横木)を棟にあげる時点ですが、鉄骨造では最上階の鉄骨梁が取り付けられた時、鉄筋コンクリートでは最上階のコンクリートを打ち終わった時に行います。
建物の形が現れ、現場監督や職人にとっても、ここまでが工程の一つの節目となります。
上棟式には棟木に魔除けの「弊串(へごし、へいぐし)」や建物の前面に「弓飾り」を立てて行います。
お施主様と施工者が御神酒、洗米、塩などを建物の四隅に撒き清めます。(四方払いの儀)
御神酒で乾杯、祝宴の後、鳶頭による木遣に続く手締めによって、これから竣工までの安全と、参列者のご健勝を祈念して締めくくられます。
この日に飾られた弊串には上棟式の日付や工事名称などを記載し、後日最上階の天井の上に納められます。
▲ ページTOPへ