第2回 お宅訪問

Y様 東京都台東区
訪問者:岡建工事 醍醐営業課長/明空信
訪問日:2006年(平成18年)6月7日

 


出会い
「ようやく吹き出した秋風を切って自転車のペダルを漕いだのが始まりでした。」オカケンとのお付き合いはそれから一年余り。どこに工事を依頼するか思い悩んでいたとき、偶然開いた雑誌に紹介されていた岡建工事。地元にそんな建設業者があることを最初、意外に思いつつ、祈るような気持ちで日曜日のオカケンの扉を叩いたYさん。この時偶然居合わせ、応対したのが岡本副社長。「建築って素晴らしいんですよ」そこで、始まった岡本副社長の建築、美術談議。デザイン関係のお仕事にたずさわるYさんにとっても切実な「美」にたいする共通の深い思いから、親しみがわいた。「美しいものを愛する人は、最後には裏切ることはないはず」そう語るYさんの思いは、岡本副社長はじめ、オカケンの様々な「顔」が見え、ぶつかり合い、思いやりを傾け合う中で、確実なものになっていったに違いない。「顔」がみえて、やっと動き出した、そうではなかっただろうか。 オカケンにあるのはハウスメーカーのようなノウハウではない。組織的かつバリエー ションに富んだ提案でクライアントに選択を迫るのでもない。お互いの性質を受け入れてゆく中で提示してゆく提案。とかくスピードを要求される時代にこれは、きつい。しかし、受け入れられれば、そこにこそ見えてくるものづくりの本質がある。それは、また、オカケンがもっともこだわる部分ではないだろうか。「私がどうしようか悩んでいたと時に醍醐さんがね、Yさん、いつでもいいですよお、われわれ、待ってますからって言ってくれたんです。かっこよかったですね。」


動き出した現場
風薫る五月、現場がいよいよ始まった。三十年以上慣れ親しんだ家が解体される直前、親戚の子供たちを呼んで、大掃除。「家中、ぞうきんがけをして、そんなことも、最近の子供はやることがないでしょう?これもきっと子供たちの記憶に残ってくれるんじゃないかと思って。」「家を建て替えても、今までの生活を全部破棄して、新しいものをつくるのではなくて、祖父が建てた家、そこに流れてきた時間を引き継ぎたかった」また、五十年後、百年後、誰かが同じ思いを引き継いでくれるに違いない。五月二十四日地鎮祭が執り行われた。「この時が一番緊張しました。」いろいろなものがほどけ、一気に動き出した瞬間でもあった。


竣工後
「安心感があります。どうしてでしょうか、トータルなものなのでしょ うか。」「最初から決めていたわけではなかったのですが、木造にしたことも大きいと思います。オカケン自慢の尾鷲から直接仕入れる尾鷲檜がふんだんに使われた客間。Yさんはとにかく安心していられるということを強調された。木造であることも理由のひとつだろう。「オカケンは近い会社でもあって、安心感があります。思いやり、助け合い、譲歩できる。」傾けあった情熱と時間の深さが生んだ安心感は、これからいよいよ成長の時を迎えるのかもしれない。 お宅近くに間近い神社の新緑が揺れていた。もうすぐ、新しいY邸に最初の夏が巡っ てくる。



文責:明空信